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牛尾篤の新 箱庭療法

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夏も終りました。

今年の夏は、あるニュースにくぎづけになりました。

紅毛人が作りたる、南蛮渡来の秘薬、丸薬がまことしやかな偽効能と共に、
つぶて、バサラ、悪党、主婦を専業とする者、若者に
なんと渋谷、新宿などの楽市、楽座でも売られておるというではないですか。
自称 憂国の士のこのわしは、深くなげいております。
それになにが腹が立ついうて、ニュースの中のコメントです。

まずは、難関有名大学を卒業したとおぼしき、
年端のいった女性キャスターが歎きます。

 「こんなにこの 丸薬 秘薬が巷で売られてるなんて、
 若者は自分の将来を考えないのでしょうか。
 でも○○さん、いかにも若者がとびつきそうな色、つや、形ですね。」

と となりの南町か北町の元与力、元同心、犯罪捜査のエキスパートだったとかいう
オッサンに、話がふられるわけです。
そこで元与力は、おもむろにうなずいて話し始めます。

 「まっこと、このエムでえなんたらいう丸薬、秘薬が
 若者の間で、蔓延しているのは嘆かわしいことです。
 それにこの色、いかにも、若者受けしそうなカラフルな色ですねえ。
 この色にまどわされて、つい手を出してしまうんですねえ。○○さん。」

てな応酬が、続きテレビ画面にはかの丸薬、秘薬の映像が映し出されるわけです。
そこでわしは激しい違和感と苛立ちを、覚えました。
まず若者受けしそうな、カラフルな色、というくだりです。
わしにはどう見ても、こきたないピンク色、うすよごれた黄色、にしか見えんのです。
それにいくら悪の誘惑に弱い奴らが、手を出すとはいえ、いくらなんでも
もう少し色彩感覚はいいだろう、と思います。
あのエムディなんたらは 大体、外国で作られとるということですが、
作られる環境を考えてもらいたい。
廃屋かどっかの山ん中の小屋で、マカロニウェスタンの悪役みたいな奴らが、
作っておるわけでしょう。
んである日、ねえ親分、うちんとこの製品、クリーム色でパッとしないんすけど、
てな提案があり 親分から、ならオメエが食ってる干しトマトでも、入れとけや。
てな具合に実に安易に色が付けられたに違いありません。
誘惑と好奇心にかられてこうたら、たまたまあの色であったと。
お兄さん、そこの赤いの一つ、なんて言うて買わんと思います。

では あのエムディなんたらが 黒やグレーだったどうでしょう。
キャスターのお姉さんが叫びます。

 「なんて 黒光りしてて あのツヤも凄そうって感じです。」

それを受けて元与力も、深くうなずきます。

 「そうですねえ、あの中世を思わせる黒、ゴシックという若者受けする言葉を
 連想しますねえ、だからつい手をだして、しまうんですねえ」

という展開となるに決まっとります。

それにしても 一個五千円から八千円とのこと、桃やメロンみたいに、
一個だけ買う奴はおらんだろうし、金はどっから捻出するんじゃ、
そんだけありゃ 回転寿司何皿食える? 中トロ食いとおないんか?と。

まあ そんなこというても このせちがらい世の中、
食い物よりトリップという奴らをいかに、ナチュラルな方向に導くか。
次回は いかに自然に 精神及び肉体をトリップさせるかをお話します。

kiyomasa.jpg
(c) atsushi Ushio「清正の夢」F-100、oil on canvas、2007
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武満 徹氏の音楽を、最近よく聞くようになりました。

 武満氏の音楽に出会ったのは、高校生の時です。
NHKで未来への遺産 という、今でいう世界遺産になった建造物や、都市を紹介する
番組で、テーマ曲及び番組全体に、武満氏の曲が流れておりました。

 曲を聞いた瞬間、なんというか、体んなかに音が染み入っていくといえばいいのか、
神秘感の中にも、おさえた情熱を感じるというか。
単純に表現すれば、ビビっと来たわけです。

 武満氏の音楽は、いわゆる現代音楽というジャンルになるんでしょうが、
わしはどうも、大概の現代音楽はピンとこんのです。
どれ聞いても、現代人の孤独と不安、しか表現されとらん、と。
お前がアホじゃけー わからんのじゃ、いろいろ 盛り込んどるで、という意見も
わからんではないですが、音楽聞いてまで、不安になりとうない、とつい、思うて
しまうんです。

 それが武満氏の音楽だけは、そうならん、そこが不思議なんです。
曲を聞いとると、様々な雑念が、洗い流されて精神、肉体ともに、力が湧いてきます。

 しかし、武満氏の音楽で、苦い思い出がひとつ。

わしが大学生の時、同級生のおなごしに、武満 徹音楽全集持っとる子が、
おったんです。
大学に看護婦風の超ミニで現れるという、全身色気攻め、ウェルカム八方美人光線が
眩しい女の子でした。
ナース姿の彼女と、武満全集の取り合わせという意外性に驚きつつ、レコードを是非、
録音させてくれと頼み込み、彼女のアパートに通うことになりました。
レコードを録音している間のBGMは、もちろん彼女の戦果発表&自慢です。
「○○君て、けっこうしつこいんだよね。」
「ふーん、そりゃ以外だなあ。」
という適当な受け答えをしつつ、ともかくこれを全部、録音せんならんと燃えておったんです。
ところが、全集の半分も録音が終わらんうちに、ある日唐突に彼女に、
もう うちこないで、て言われてしもうたんです。
レコード買う金もないし、わしはとっさに 説得しました。
「なんか勘違いされたんかな、わしとあんたは、音楽を通じての友人なんよ。
こんな稀有な友情は、まっこと貴重、失うてはいけん。
男女の間に友情は成り立つ、わしは証明してみせるで。」
と、まあまくし立てたんですが、それ以来 彼女は口すらまともにきいてくれず、
わしの全集録音計画は、あえなく頓挫しました。
今 思えば、彼女のもてたがり、ふりたがりドS心を少しでも、理解しとったらと思います。
レコードは口実、わしの目的はあんたなんじゃあー と一言叫びさえすれば、
たちどころに彼女の、何思い上がってんのと言葉の鞭が振り下ろされ、
録音がすみやかに完了できた? と当時をなつかしむ次第であります。
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牛尾 篤(atsushi Ushio)

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シュトラッツ全集萌え 2

と、ここまで書いておると、 トントン、とヤングなニイチャンに肩を叩かれました。 「あのさあー」(と、ここは東京弁)
「オッサンのメール、今後ろから読んでんだけどさあ、パソコンくらい持ってんでしょ? 選集か全集かくらい、調べてかきなよ。ネットの古本屋で買えんでしょ、
簡単に。」 わしは言います。
「ニイチャン、おまえの言うこたあ よー わーっとる。
でもな、わしはあえて調べん。あえて買うわん。」
ここでわしは、萌えというオタクなピープルな方々の使う単語を、思い出しました。 萌え、という言葉には、好きだかがあえて近ずかん、あえて告白せんという意味が、
含まれておるとわしは勝手に解釈しとるんです。
シュトラッツ全集など、今現在、簡単に調べかつ、買うことは可能でしょう。
しかし、昔好きだった同級生を当時の姿のままで、記憶に残しておきたい、そう思い、
あえて断腸の思いで同窓会を、欠席する人も多いのではないでしょうか。
そうです。
「日本人の体」
すばらしいタイトルです。
そしてわしの受けた、えも言われぬショック。
そっと想いたいんです。

シュトラッツ全集萌え〜!
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シュトラッツ全集萌え

最近 シュトラッツ全集 (選集)のことが気になって、しょうがありません。
美大生の頃、美術手帖をよく読んどりました。
わしも田舎もんだし、理論武装&最新情報を仕入れないかんと思っとったからです。 美術手帖の後ろのページは今と同じく、広告があって、美大学校のヒツジの横顔のページがあり、そのまた後ろあたりに、そのシュトラッツ全集の広告が載っとったんです。 なんでも、明治に来日したドイツの学者さんの本ということでした。
三巻本か五巻本だったと思います。
その中の一巻のタイトルが、目に飛び込んできました。
「日本人の体」
ガーン! なんちゅう 恥ずかしげなタイトルじゃ。
見たらいけん、いや、見たい。
わしはたまらず新宿の、紀ノ国屋に行きました。
ありました。奥の方の、薄暗いコーナーに、ひっそりと。
内容はおおざっぱにしか覚えとらんですが、丸くひらべったい薩摩顔、面長は長州顔とかいう分類方法。武家の娘や奥方にはまるで、イタリアやフランスの貴婦人と見紛う顔付きをした女性がいる、という思い込み的印象とか。
一番印象に残っとるんは、日本人は他のアジアのどの国民よりも、外見が早く西洋化すると、予言しとることです。
確かに 昔アメリカの雑誌に描かれた、鼻ペチャ、でっ歯の日本人は、こと若い人にはおらんなあと思うわけです。
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「お針子」

ohariko.jpg
(c) atsushi Ushio「お針子」F-100、oil on canvas、2009
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