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Emu Arizono、Eru Arizono(HAMADARAKA) 鱗粉奇航

豚色のしわの物語16/1

雲みたいなカイコが一面中
夜のうぶ毛に横たわっていた
ほんの少しばかりの隙間から
ちょっとの全部がこぼれ落ちてた

唯それだけのこと

大きくて小さくて
小さくて大きくて

ある夜のひとかじりより
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豚色のしわの物語15/1

空が泣いてた8月の夜
涙とお塩がしゃしゃり出て
1本の浮かれた糸をこぼした
ぶらりぶらりと踊る糸の先には、まるで結婚式の電気飾りの様なスーツを纏う
蜘蛛の女の子がくっついていた

 空気の痙攣を感じては10㎝背伸びをし
 小さな水しぶきを感じては20㎝ダイビングをする
 
太ったお腹に不揃いな、かぼそい手手足をうねらせながら
蜘蛛の女の子は無心に浮遊する
瞼がやけどするくらい熱い涙がぽつぽつと
この子の3㎜外径を通り過ぎて行った
 
水平線が苦手なこの子のおしりには
皮肉にも太平洋の夕焼けの一本線がどこまでも遠くのびていた

この子の地球倍程の大きなゼラチンの玉が2つ こちらを見つめている
ぎょっとするくらい生白いその玉は、うすい毛皮をきた肌色の靴をはき
時折ぐるんと一回転して見せた

ピカカッピキキ とゴールのりぼんがこぼれ
あの子とゼラチン体質は
この世に二人きりの色をもつ浮遊体になった

 空が泣いてたあの8月の夜

世にもきれいな悲しみが 唯、ぶらりぶらりと動いていた


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豚色のしわの物語14/1

ひとかじりの水面の日陰に呼ばれました
マンダリンに染められて
まるで夕焼けに着替えたような夢を食べました

今宵はタランチュラの悲しいうぶ毛を拝借して
少しばかり闇がお気に入りになりました

生まれたての豚色のしわを行ったり来たり
生きた迷路の行進と雷姫と入道群のかくれんぼ
 
海は首を30度西にかしげています

ねむたいねむたい
明日も幸せ
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今日の唾子 その8:「ババラジャズーカ・アングレシャンカル」

tubako-jya.jpg
身長:555mm
シバ神に仕える使徒であると謳う、アングレシャンカル。
何を聞いても、
「私は88年後、・・・・最もポップな神になる。」と言う。
身につける物はシバから授かった王冠と自らの髪で編んだ前掛けのみ。
涙の代わりに左目から生えた髪の毛は心を神にささげた証拠であるらしい。
無意識に世俗に未練がある為、手は3本しか持ち合わせておらず
王冠の模様も完全には浮き出ていない。
残る3本の手が完全に現れ、大きく突き出した舌に、太陽が6000回出会うとき、
涙の毛が落ち太陽を覆う黒い雨が降る。
イマダ、信者は一人もイナイ。
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今日の唾子 その7:「ポタレイバコタ・ジェランコ」

tsubako-pota.jpg
身長:834mm
コロンビアと中国のマフィアのパトロンを持つ、
万物の毛髪を専門に研究している考古学者。♀。
長身のアフリカ系の♂を好む。
水のあるところを好み、常に撥水性の衣服を着用している。
爪を噛んでいる様に見えるが、自分の口の前を通りずぎる風の臭いで
生物がどこに移動しているかを嗅ぎつける。
自らには一本の毛も生えていない為、研究中に集めた毛で、
かつらと鼻飾りを編む、その種類は既に999ピースに及ぶ。
中国の鳳凰に、1mmの隙間も無く集めた毛髪を敷き詰めた毛家を持ち、
旅に疲れると集めた毛を持ち帰り淡々と壁に貼り付ける作業を行う。
そこはとてつもなく美しい。
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豚色のしわの物語「13/1世紀」

ポーリカ ポーリカ 血が騒ぐ

28年に一度のポルホルギシーの夜に
あたしの皮膚に真っ赤な灯りが灯ります
肌色リンクで3回転

狂リラ 狂リラ 拍手が上がる

鱗でできた衣装から
ポーリカ ポーリカ 止まらない

月夜の涙が落ちてきて
ポーリカ ポーリカ 止まらない

砂糖のカーテンくぐり抜け
アルミのメダルをとりにゆく

ぽつりぽつりと灯りが消えたら
やっと素敵に眠りたい
ウララ皮膚の舞台を後にして
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